RPAは大して革新的ではないという話
最近急激に”RPA”というワードを聞くようになりました。
かつてのクラウドや少し前のAIといったバズワード時代を経て普及期へと進むテクノロジーと異なり、話題になるや否や普及し始めている印象です。
RPAは一言で表すと、Excelのマクロです。
キーボードとマウスでできる作業をRPAに覚えさせることで、単純作業を無くすという働き方改革と非常に親和性が高いソフトウェア。
特に業種問わず導入する事ができ、使いやすいGUI、ワークフローの変更をしなくて良く、システム導入のような大規模なSIは不要ということで、手軽に導入ができます。
某広告大手が最近RPAを大規模導入して、真剣に労働時間削減に取り組もうとしていたり、金融業界が1番導入に前向きだったりと”働き方改革”と”手軽さ”を武器にすごい勢いで普及していっている様子です。
私の知る限り有名ソフトウェアは日本では「Bizrobo」、海外では「UiPath」があり(後もう一つあった)、UiPathは安さを売りにグローバルでは強いらしい。
- 作者: 安部慶喜(アビームコンサルティング株式会社),金弘潤一郎(アビームコンサルティング株式会社)
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2017/11/16
- メディア: 単行本
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時代に合い広がっているRPAですが、テクノロジーに際立った特徴があるというよりはGUIと価格が検討ポイントになるようなソフトウェアで、個人的には数年でブームは去ってしまうソリューションなのではないかと思っています。
なぜなら
1. 際立ったテクノロジーがない
→将来的にAIが裏側のエンジンになるのは見えすぎる展開ですが、そうなると最早RPAというよりはやっぱりAIの時代なんですよね。
2. 本来はシステムがケアすべき領域
→SAPとOracleのベストプラクティスが素晴らしければ、本来システムから漏れ出た単純作業を人間がやる必要ないと思うんです。
日々変わりゆく顧客業務にキャッチアップしないといけないのはRPAもERPも同じですよね。
3. メンテナンス大変
これは最後3つ目を無理やり出した感が結構ありますが、ちょっと業務変わると設定し直しって結構大変ですよね。
Excelマクロの嘘のような話で、「マクロに優れた担当がマクロを組みまくって業務効率化をしていたけど、担当の退職によりブラックボックスになり、業務変更後マクロを使えなくなった。その教訓から、新たに採用した担当がマクロを使える人であっても、マクロの利用を制限した。」
RPA自体がなくなってしまうといってるわけではなく、働くということを考えた時に、数年だけRPAで右肩上がりでバリバリ働くにはいいですが、IT業界ならではのディスラプトや革新的な何かはないだろうなー、という観点からのブログでした。